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名前のない新生児たちからのメッセージ

こんにちは! 町田明生晴です。

生まれてからでは遅すぎる」

今から約40年前に出版されたある書籍の裏表紙に、当時ソニー名誉会長だった井深大さんが寄稿されていた言葉です。

その本は、世界を変えるきっかけとなった名著『胎児はみている』トマス・バーニー博士著 です。

私の場合は、胎内記憶研究の第一人者で産婦人科医の池川明博士と国際コーディネーターの五十嵐夕子先生に導かれて、出生前・周産期心理学に出会いました。

世界を変える力がある研究だと思いました。

なので、興味がある方とシェアしたいとずっと思っていましたので、これから少しの間、シリーズでブログに書いてみますね。

 

出生前・周産期心理学とは?

出生前・周産期心理学協会(APPPAH)という、カナダとアメリカに拠点を置く学術協会があります。

元ハーバード大学講師で精神科医のトマス・バーニー博士と、カリフォルニアの心理学者であったデビット・チェンバレン博士が1981年に設立された団体です。

出生前・周産期心理学とは、その名の通り、胎児と誕生と新生児の心理学です。

命は受精した時から始まり、胎児にも新生児にも意識があり、それを研究して社会に役立てるための学問です。

私自身も、2019年11月に開催されたデンバー国際会議に出席し、発表させていただく機会を頂きました。

そして、その時はじめてトマス・バーニー博士とも出会わせて頂きました。

北米中心の学術協会ですが、ヨーロッパ、南米、インド、中国からも参加者は多く、世界の大人たちが、研究と応用をされていることに勇気をもらいました。

日本からも、胎内記憶研究の第一人者の池川明博士を筆頭に、何名かのメンバーがおられます。

1981年の設立以来、約40年間、専門家たちが科学的なアプローチで、胎児や新生児の心と体の研究を積み上げてきた団体でした。

 

科学的に明らかでも社会は変わらない?

さて、トマス・バーニー博士とAPPPAHの長年の研究成果から、命は受精からはじまっており、胎児、新生児に意識があることも、科学的に明かだと言わざるを得ないと思われます。

ところが、現代の出産と医療の世界では、まだまだ、胎児や新生児に一人の人間としての意識や意志はないという前提で動いているようです。

2020年に池川明博士と一緒に、トマス・バーニー博士のインタビューをさせていただいたときの、バーニー博士があるお話をされたのでシェアしますね。


ある時、私(トマス・バーニー博士)は大学病院の大きなNICUを訪れました。そして部屋には36人の赤ちゃんがいる保育器がありました。
彼らの約半数は、保育器の側面に名前が表示されていました。ところが、残りの半分には名前がありませんでした。
なぜこれらの赤ちゃんに名前がないのか、案内してくれた看護師に聞いてみました。
担当の看護師は、「それは、赤ちゃんが死んだ場合に備えて、両親が彼らに執着しすぎたくないから名前がないのです」と述べました。
私は、このドクター達が、この2つのグループの子供たちの心と体の健康がどのようになっていくかを比較する研究論文を書いてれたらと良いと思います。
両親が名前で呼びかけた子供たちは、名前のないグループに比べて健康上の問題が少なく、長生きすることは間違いないでしょう。


トマス・バーニー博士が、なぜ名前のある子が長生きすると予測したかは、博士の研究に少しでも触れると、良くわかります。

例えば、エピジェネティクスとい遺伝子の研究分野では、親との絆や愛情をベースにしたコミュニケーションが、遺伝子の良いスイッチをオンにしてくれることがわかっています。

またその逆で、親や環境のストレスが、胎児の遺伝子の振る舞いに影響を与え、病気や障害が発症するリスクが増えることもわかっているからです。

そうした数々の証拠やデータがあるにもかかわらず、知らないだけで、未熟児の成長や生存のサポートにならない行動が起きているかもしれません。

さらにトマス・バーニー博士は続けます。


西洋の多くの人は、人生は誕生した0歳から始まると考えています。
しかしこの認識はとんでもなく間違っています。
まず、受胎から6ヶ月後には、胎児はすでに感覚、感情があり、記憶をしているという圧倒的な科学的証拠があります。
出生時には、私たちの脳はすでに機能しています。その為どのように世界に生まれてくるか、そしてどのように世界に受け入れられたのかという情報は、脳の無意識の領域に刻まれてその後の人生を導いていきます。
更に、エピジェネティクスという遺伝子の研究の視点から見ると、胎児の人生は受精前から始まっています。
親の愛と胎児のきずなが健全なら胎児の遺伝子に良い影響を与え、そうでなければ良くない影響を与えることもわかっています。
もちろん、胎児の周りの環境、親の心身の健康状態、両親が摂取する食べものなども、胎児の成長に影響を与えています。
人生とは連続していて、人生は受精した時から始まっています。これが、科学的な視点から見た真実です。(トマス・バーニー博士談)


ちなみに、トマス・バーニー博士が、最初にこのことを広く世に伝えたのは1981年です。

書籍『胎児は見ている』は、世界20か国で翻訳され、日本でも24万部販売されたそうです。

日本語翻訳は1982年に出版されていますから、約40年が経ました。

実際今は、生命が誕生後でなく受精から始まることは既に多くの人が知る時代になったと思われます。

私は、日本の胎内記憶教育研究の第一人者の池川明博士からお聞きしたのですが、中部大学の大門 正幸教授の調査によれば、なんと日本人の2割の人が「胎児に意識があると思っている」というデータがあるそうです。

ここでマーケティング的な話になるのですが、2割というと「クリティカルマスという一気にその情報が全体に拡がるポイント」をすでに超えていますので、もしかすると既に一般常識に近いのかもしれません。

ところが、現実には、子どもたちに関わる大切な分野、医療や教育においても、まだまだ、それを認めていないことが主流です。

アメリカの話ではありますが、冒頭の名前のない赤ちゃんたちの例も、その一つかもしれません。

良いも悪いも、科学主義的に発展してきたのが今の私たちの世界です。トマス・バーニー博士達のアプローチはとても科学的でした。

もしトマス・バーニー博士たちの研究が、日本のママ達、そして各分野リーダーの方々により拡がることで、世界がより良い方向へ変化したらとても面白いと思います。

私も微力ながら発信していきたいと思います。

このブログでも今後少しづつ、出生前・周産期心理学について書いていきますね。

いつもお読み頂き、ありがとうございます。

感謝

町田明生晴 拝


 

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